2009年5月14日木曜日

もし、乗用車が全て電気自動車になったら・・・。

もし、乗用車が全て電気自動車になったらどうなるのか、考えたことがありますか?
そこから将来の日本のエネルギー事情の問題点がわかるかもしれません。

まず、国内の自動車の保有台数を調べてみました。財団法人自動車検査情報協会にアクセスして最新の保有台数を調べてみます。その結果、小型車+普通車の合計台数を約41,000千台といたしました。ただし、軽自動車は燃費が良いのでガソリン車のままとします。

次にガソリン車と電気自動車の燃費、つまりエネルギー消費量を調べてみます。色々探したのですが、財団法人日本自動車研究所の「燃料電池自動車に関する調査報告書」平成15年度に詳細なデータがありましたのでそれを使うことにしました。

走行モードにより若干違うのですが、例えば10・15モードにおけるガソリン車と電気自動車(EV)の”Well to Wheel”における燃費を、ガソリン車のリッター当たりの走行距離で比較しますと、15km/litと82km/litになります。ガソリン車の15km/litは私たちの実感では多いような気がしますが、ここでは規定された走行モードを適用することにします。
次にこの燃費をエネルギー消費量に置き換えてみます。そのためにはベースとなるガソリンの発熱量を決めなければなりません。さきほどの調査報告書に数値が記載されていましたので、その数値(7680kcal/lit:低発熱量)を使うことにします。ここから先は手順と計算結果のみ書いていきます。
  1. ガソリンの発熱量kcal/litをkWh/litに変換しますと、7680kcal/lit÷860kcal/kwh→8.93kWh/lit
  2. 乗用車の年間走行距離の平均値を10,000kmとし、ガソリン車の燃費15km/litから年間の燃料消費量を計算しますと、10,000km÷15km/lit=667lit/年となります。
  3. 次にこの燃料消費量とガソリンの発熱量から1台当たりのエネルギー消費量を求めますと、8.93kWh/lit×667lit/年=5,954kWh/年となります。
  4. 自動車の保有台数から国内全体での年間のエネルギー消費量は、5,954kWh/年×41,000千台=244,100百万kWh/年と計算されました。
次に、もし乗用車が全て電気自動車に置き換わったら(もちろん、そのような事態は何年も先のことでしょうが)、必要なエネルギー量、すなわち電力使用量は幾らになるでしょうか。そして、その使用量は現在の発電量に対し、どの程度の割合になるでしょうか。以下、順番に計算してみましょう。
  1. 電気自動車の燃費は82km/litですから、電気自動車が必要とする国内全体での年間のエネルギー消費量(電力使用量)はガソリン車の燃費との比率から計算できますので、244,100百万kWh/年×15km/lit/82km/lit=44,650百万kWh/年になります。
  2. 現在の国内の発電量は合計で10,000億kWh/年(1,000,000百万kWh/年)ですので、先ほどの44,650百万kWh/年は約4.5%に相当します。
  3. 電気自動車が稼働する時間帯は主に昼間、それも数時間に限定されているので、充電時間帯をいつに設定するかにより時間当たりの電力消費量は大幅に変わってくる。ここでは、年間を通じて平均化されるという仮定で計算すると、1年間8,000時間として44,650百万kWh/年÷8,000時間/年=5,580千kWになる。
  4. 現在、国内発電量の約40%を原子力発電が占めており、これからも伸びると予想されています。一方、新エネルギーはわずか1.5%で、将来見通しも3%程度です。ですから不足分を補うとしますと、原子力発電に頼らざるをえなくなり、1基900千kW程度の原子力発電所を5,580千kW÷900千kW/基=6基程度、新たに設置しなければなりません。
電気自動車の普及については、ガソリン車に比べエネルギー効率が高いことからも賛成ですが、そのために電気をどのようにして確保するかについて余り議論されていないように見受けられます。先ほどの数値は、電力需要の拡大からみると危険サイドです。その理由は、一つ目は燃費の良い走行モードを採用していること、二つ目は電気自動車の充電時間が昼夜に関係なく行われるという前提であること、三つ目は送電ロスなどを含んでいないこと、などです。
一方、米国での電気自動車への傾斜は急であり、政府の後押しと大手自動車メーカー(GMやクライスラー)の動きに目が離せない状況です。有り体に言えば、米国自動車業界の生き残りと世界再編が電気自動車の将来を左右しており、ガソリン車から一気に電気自動車に移行する可能性があります。そのために、全体システムの構築に取り組んでおり、効率良く電気を供給するシステム作り(例えば、スマートグリッド)に奔走しているようです。

一方、日本国内の特殊事情(発電と送電が一体化)もあり、米国並みに柔軟性に富んだ電力システムを新たに設けることが出来ない可能性があります。そこで将来の日本の電気自動車を取り巻く環境を大胆に予想してみますと、
  1. 環境問題から公共・自治体や輸送関連大手を中心に電気自動車を導入する傾向が増えるので、新たな電力供給システムへの要望が増加する。
  2. しかし、国内の電力事情から、電気自動車の普及は都市部を中心に限定される。それを補う形で、燃費の良いハイブリッド車が地方を中心に普及する。
  3. ハイブリッド車の普及によりガソリン販売量が約40%減少するために、全国的にガソリンスタンドの淘汰が始まる。
もし日本国内ではハイブリッド車が主流となり、米国や中国(ガソリンの販売システムが充実していない)では電気自動車が主流となれば、世界的自動車メーカーが開発に負担すべきの投資は膨大なものとなるでしょう。そうなると新たな自動車業界の再編が始まると共に、電気自動車とハイブリッド車の世界的な棲み分けが出来るかもしれません。そうなると、米国はA社、EUはB社、中国はC社、そして日本はD社というように地域ごとにトップの自動車メーカーが変わる可能性がある・・・?

最後に参考になる情報を記載しておきます。


1 件のコメント:

  1. 必定品なのに車ってどうしてこんなに高いんだ~!でも、中古車にすると結構安くなるから中古車の方がいいかも...?
    中古車買取

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